データベースについて調べてみた

データベースについて調べたことのメモ。Oracle要素多めになる予定。

Oracle19cと21cの初期化パラメータの差分について調べてみた ~その2~

前回の続きで、Oracle Database19cと21cの初期化パラメータを比較して、21cで登場したパラメータを纏めてみた。

※19cと比較しての新規であるため、20cから新規登場したパラメータも、21cで登場したものとして含む。

 

4.新規パラメータ

19cには存在せず21cに存在したパラメータは35個存在した。パラメータ概要が「★」から始まるパラメータは、21cのマニュアルに記載されていないため、V$PARAMETERのdescription列を和訳したものを記載。

パラメータ デフォルト値 パラメータ概要
allow_deprecated_rpcs YES ★非推奨のrpcを許可するか
auto_start_pdb_services FALSE ★全てのPDBサービスを自動起動するかを制御
blockchain_table_max_no_drop   ブロックチェーン表の作成時に指定可能な最大アイドル時間(分)
container_data ALL PDB内から拡張データリンクオブジェクトへの問合せでルートとPDBの両方から行を返すか、PDBのみから行を返すかを制御
dbnest_enable NONE dbNestの有効化/無効化
dbnest_pdb_fs_conf   PDBのdbNestファイルシステム構成ファイルを指定
diagnostics_control IGNORE 安全でない可能性のあるデータベース診断操作を実行するユーザーの制御および監視
drcp_connection_limit   ★DRCPの接続制限
drcp_dedicated_opt NO DB常駐接続プーリング(DRCP)専用の最適化の有効化/無効化
enable_per_pdb_drcp FALSE DB常駐接続プーリング(DRCP)がCDB全体に対して1つの接続プールを構成するか、PDB毎に1つの分離接続プールを構成するかを制御
heartbeat_batch_size 5 ハートビート期間中に送信されるハートビート数
hybrid_read_only FALSE ★CDBの共通ユーザでPDBにパッチ適用を許可するhybrid read only modeを使用するか
ignore_session_set_param_errors   クライアントがセッションパラメータ値を変更しようとしたときにDBがエラーを無視するかを制御
inmemory_deep_vectorization TRUE インメモリディープベクトル化フレームワークの有効/無効
kafka_config_file   KSR pub/sub 外部メッセージバス(KSRPS) の環境ファイル
mandatory_user_profile NONE CDBまたはPDBの必須ユーザープロファイルを指定
max_auth_servers 25 認証プール内の認証サーバーの最大数
min_auth_servers 1 認証プール内の認証サーバーの最小数
native_blockchain_features NONE ★ネイティブblock chainの有効/無効化
optimizer_capture_sql_quarantine FALSE SQL隔離構成の自動作成を有効/無効化
optimizer_cross_shard_resiliency FALSE クロスシャード問合せの回復可能な実行の有効/無効化
optimizer_real_time_statistics FALSE 従来型DML操作中にリアルタイム統計の自動収集の有効/無効化
optimizer_session_type NORMAL セッション内のSQL文に対してDBが自動索引作成を実行する方法の制御
optimizer_use_sql_quarantine TRUE オプティマイザがSQL隔離構成を考慮するかの制御
pkcs11_library_location NONE ★TDEで使用するPKCS#11 ライブラリの場所
pmem_filestore   インスタンス起動時にDBが自動的にマウントする永続メモリ(PMEM)ファイルストアを指定
read_only FALSE ★ユーザセッションでの書込み操作を制限するか
resource_manager_cpu_scope INSTANCE_ONLY CPU リソース管理の範囲
result_cache_execution_threshold 2 PL/SQLファンクションの結果が結果キャッシュに格納されるまでに実行可能な最大回数
result_cache_max_temp_result 5 キャッシュされる単一の問合せ結果が利用できるresult_cache_max_temp_sizeの割合
result_cache_max_temp_size 0 結果キャッシュで利用できる一時表の最大量(バイト単位)
shard_queries_restricted_by_key FALSE クエリにシャードキーの述語を追加するかの制御
tablespace_encryption_default_algorithm AES128 表領域の暗号化時にDBで使用されるデフォルトのアルゴリズム
tde_key_cache FALSE Oracleプロセス間でのTDEマスター暗号化キー共有の有効/無効化
timezone_version_upgrade_online FALSE DBを通常モードで実行し続けたままタイムゾーンデータをアップグレードする機能の有効/無効化

 

追加されたパラメータは、新機能に伴うものが主だと考えられるので、パラメータから追加された新機能を辿るような調査をしてみるのも面白そうだ。

 

ちなみに、下記のパラメータについては、19cでは隠しパラメータであったため、21cの時点で正式パラメータに昇格したものとなる。

  • auto_start_pdb_services
  • dbnest_enable
  • dbnest_pdb_fs_conf
  • tablespace_encryption_default_algorithm

 

参考資料

初期化パラメータの詳細は、マニュアル「Oracle Database データベースリファレンス」をご参照のこと。

Oracle Database データベースリファレンス 19c
https://docs.oracle.com/cd/F19136_01/refrn/index.html

Oracle Database データベースリファレンス 21c
https://docs.oracle.com/cd/F39414_01/refrn/index.html

 

 

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